続・そすいのさんぽみち

~2015年4月1日 1件 追加投稿しました。累計510件~
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C-03-45 福田金属箔粉工業KK見学記(その2)

    琵琶湖疏水の散歩道・第495号(2012-12-03)KANKANBOW記

 

1)まえがき

 見学時にいただいた「金属粉総合版カタログ」によると、金属粉製法として搗砕法・アトマイズ法・熱処理法・化学還元法・電解法・粉砕法など6つの製法を駆使して、小ロット生産から量産まで最新鋭の生産体制が整えられている。この中で、粉末冶金材料として銅粉・錫粉・青銅粉などの金属粉・これらの混合粉の商品群リストを拝見し、その充実ぶりに感銘を受けた。私は前に別目的で粉末冶金に関する概略調査をしたことがあるので、記憶を辿ってとりまとめたのが本報である。専門家でないので、間違いがあったらお許し願いたい。

 

2)粉末冶金の発展の歴史要旨

 粉末冶金という呼称は比較的最近と考えられるが、その技法は古く、今から少なくとも5000年前にさかのぼる。当時は鉄を溶かす温度を維持するのが難しかったので、海綿鉄を砕いて、加熱焼結して道具を製造していた。この技法を「粉末冶金」と呼称する。

 古来から日本刀の製法も砂鉄(粉末)を原料とし、得られた細長い鉄片を鍛えて作るが、これも立派な粉末冶金の技法である。福田金属箔粉工業KKは、1930年代にヘガネス社から粒状銅粉の供給を受けて商品化を進めるとともに粉末化の研究を重ね、昭和121937)年に国内初の生産システムを完成させたが、時代の流れを自動車の発展で説明すると、自動車1台に使用する粉末冶金部品は、昭和371962)年に10kgであったが、25年後には40kgに伸び、平成081996)年には65kgとなっている。

日本に「日本粉末冶金工業会が発足したのが昭和311956)年であるが、平成122000)年には粉末の時代と呼ばれるようになり、この波に乗って発展したのが福田金属箔粉工業KKである。

 

3)金箔・銀箔の市場について

 福田は、金箔の製造会社からスタートし、そのご主製品を機能材料の分野に展開して成功した会社であるが、金沢にも創業100余年で福田と市場を分け合ったカタニ産業KKがあり、そのご金沢にも金箔製造関連会社が増えている。

 昔の金箔の製法は、金の粒をタヌキの毛皮に挟んで槌で叩いて伸ばす手法が採用されていた。この手法で10円玉の金を叩くと、髪の毛の8分の1の厚みで2畳敷きほどに広げることができる。

 金に次いで展延性に富む銀も0.2ミクロン厚さの箔を作ることができるが、銀を放置すると水分・亜硫酸ガス・硫化水素と反応して黒くなる欠点がある。現在市場に流通している代表的な金箔の規格は、金94.43%、銀4.96%、銅0.66%である。金箔・銀箔・銅箔の市場の大部分を日本が抑えているが、携帯電話では折り曲げ可能なフレキシ部とプリント基板配線用の銅箔は日本(福田が大部分)が世界シエアの9割を占めている。

 金沢のカタニ産業KKは、その後の展開を金箔の利用応用分野に求めて、あぶらとり紙などの商品展開でユニークな実績を挙げている。

 

4)山科立地の工場を建設した背景

 福田金属箔粉工業KKの山科工場立地選定にあたり、琵琶湖疏水の水を利用した水車動力が期待できることを一つの理由に挙げている。私は山科盆地の灌漑用水路について全く知識を持っていなかったが、地元の歴史愛好家である武内良一氏とのコンタクトが約4年前から始まり、ほぼすべての灌漑用水コースを案内していただいた。そして、何人かの先輩研究家の報告書も紹介していただいた。

武内氏の調査によると、山科盆地には両側に洛東用水路と東山用水路の二大幹線水路のほかに中央部の「第三水路」が存在しており、この水源な疏水から直接引水してなく、疏水の水と混流した旧安祥寺川から引水している。

この第三水路について武内氏の資料を参照すると、来栖野に在住されていた杉村政二氏の小冊子「わがふるさと 来栖野の歴史」の年譜に第三水路が明治記載371904)年に完成したとの記載がある。この第三水路の延長線上に福田金属に向かって水路が延びている。福田金属のホームページによると明治411908)年に山科工場を開設し、山科工場で水車による真鍮粉工場を生産開始してと記載されているので水車動力法を採用の話しとつながる。私は報告書(その1)にも示したように、今年の83日に福田金属箔粉工業KKを見学したが訪問途中で体調をくずし、集合時間に遅れて施設の見学もできなかったので、機会があればもう一度見学したい会社である。


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