続・そすいのさんぽみち

~2015年4月1日 1件 追加投稿しました。累計510件~
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  F-03-13「重要文化的景観」候補として岡崎地区を
       琵琶湖疏水の散歩道・第483話(2012-04-08)  KANKANBOW記
 
1)文化財「重要文化的景観」の要旨
 従来、文化財は「有形文化財」、「無形文化財」、「民族文化財」、「記念物」、「伝統的建造物群」に分類されていたが、平成07(1995)年にユネスコが世界遺産の選定に「文化的景観」の概念にもとづく判断を導入してから国内でも検討が進められ、平成16(2004)年に文化財保護法が改定され、文化財の領域に「文化的景観」が追加された。文化庁は180ヶ所の地域候補を選定し、とくに重要なものを「重要文化的景観」として認定し、経費の補助や固定資産税の半減などの優遇措置を与えることとした。
 
 選定基準として次の2項を示している。
    地域における人々の生活又は生業及び当該地域の風土により形成された次に掲げる景観地として、水田/畑地などの農耕・茅野/牧野などの採草/放牧・森林の利用・養殖いかだなど漁ろう・ため池/水路/港などに水利用・鉱山/採石/場/工場群などの採掘/製造・道/広場などの流通往来・垣根/屋敷林などの居住・・・に関する景観地
    前項各号に掲げるものが複合した景観地のうち我が国民の基盤的な生活又は生業の特色を示すもので典型的なもの又は独特なもの
 
京都新聞(2007-06-28)記載の文化財分類記事を下記に引用したが、「重要文化的景観」は格付けから見るとハイクラスに位置付けられている。
     
全国で初めての第一号は、平成18(2006)年1月に選定された滋賀県の「近江八幡の水郷」で、当時の新聞は大きく取り上げたが、今年の3月時点での全国における「重要文化的景観」の認定数は30件で、近畿地方では下記5件が選定されている。
    滋賀県近江八幡の水郷                2006-01-26
    滋賀県高島市海津・西浜・地内の水辺景観    2008-03-28
    京都府宇治の文化的景観              2009-02-12
    滋賀県高島市針江・霜降の水辺景観       2010-08-05
    奈良県明日香村の奥飛鳥の文化的景観     2011-09-21
 
2)「京都岡崎の文化的景観」のパネル展見学
 京都市でも、琵琶湖疏水の開削によって形成された岡崎地区の「重要文化的景観」選定を目指した調査検討事業を、学識経験者で構成する「京都岡崎の文化的景観調査検討委員会を設けて、平成22~25年度にかけて取り組んでいる。
 今年の3月に岡崎の細見美術館3Fにある茶室「古香庵」の東側で京都市文化財保護課主催の「京都岡崎の文化的景観」パネル展が開催され、見学させていただいた。
                    F-03-13_convert_20120413081634.jpg

 京都市が奈良文化財研究所の協力で進めてきた「岡崎地域の文化的景観」の歴史調査結果をパネル展として発表したもので、パネルに記載された写真や説明をすべて1冊にまとめた冊子もいただいた。
 いただいた資料には、岡崎周辺の平安院政期・江戸初期・江戸幕末期・明治初期・大正期・現在の6枚のカラー地図や京都盆地の地質図・岡崎の水系とアカマツ、クロマツの分布図で白川からの白砂と組み合わせて“白砂青松”と名付けた工夫が面白かった。また、大正08(1919)年に描かれた仁王門~二条間の疏水道のスケッチ絵図があったが、十数本の柳の大樹があり、舟運で運ばれた米・炭・煉瓦の荷揚げされた浜としての場面を想像させてくれた。
 また、“京都市が疏水建設用地として買収した岡崎・疏水本線の未利用地は、「疏水東濱町」、「疏水中浜町」、「疏水西濱町」として町立され、商工業の発展を見込まれた民間に払い下げられたが、舟運・水車動力・水力発電・工業用水・庭園用水などの多目的な疏水利用によって、多彩な文化と産業が水辺に溢れ出した。”という説明文もわかりやすかった。
 小さなパネル展であったが、3人の説明者が交互に解説してくれ、有意義なパネル展であった。また、岡崎地区の存在する文化財の規模と景観のユニークさからみて、「重要文化的景観」の認定の可能性はかなり高いと期待している。
3)京都府の「文化的景観」活動について
 京都府は全国の都道府県に先がけて、平成17(2005)年07月に「文化的景観検討委員会」
を設置して毎月1回の5回の打ち合わせを実施し、候補の選定と当面の具体策の検討をまとめている。(70ヶ所の府内候補地のリストアップを実施)
 そして、平成19(2007)年04月に選定基準をまとめ、現在までに下記8件の京都府認定を実施している。
    京丹後市久美浜湾カキの養殖景観・・・・・・平成20(2008)年3月
    福知山市毛原の棚田景観・・・・・・・・・・・・・平成20(2008)年3月
    和束町の宇治茶の茶畑景観・・・・・・・・・・・平成20(2008)年3月
    井戸町大正池とその水源かん養林景観・・・平成21(2009)年3月
    綾部市グンゼの近代製糸産業景観・・・・・・・平成21(2009)年3月
    向日市西ノ丘の竹の径、竹林景観・・・・・・・平成22(2011)年3月
    宮津市上世屋の山村と里山景観・・・・・・・・平成22(2010)年3月
    福知山市大原の産屋の里の景観・・・・・・・・平成23(2011)年3月
このような努力の蓄積が、今後の「重要文化的景観」の選定に役立つことが期待される。

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