続・そすいのさんぽみち

~2015年4月1日 1件 追加投稿しました。累計510件~
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G-02-42 講演会「“はやぶさ”が持ち帰ったもの」に出席

      琵琶湖疏水の散歩道・第477話(2012-02-19)  KANKANBOW記

 

1)まえがき

2月15日、山科アスニーで掲題の講演会(第591回)が開催され、出席させていただいた。私の個人事で恐縮だが、宇宙の中の天体については未知の世界で課題が多く、少年時代からの夢物語であり、次第に実態が解明されつつあるという実感を持っていたので、実験器具のような「はやぶさ」が20035月に宇宙を目指して飛び立ったときは、成功するという期待は全く無かった。ところが、昨年7年振りに帰還を果たしたという快挙を知り、今年の2月に京都大学総合博物館で帰還カプセル特別公開があったとき、緊急の所用で見学を果たせなかったことを残念に思っていた。今回の講演会の講師は大阪大学大学院教授・土山明教授で、私がお世話になっている「やましなを語りつぐ会」代表の土山年男さんの御子息ということを伺って出席したが、超満員の会場で時間を忘れて聴取させていただいた。講演が終わったときはある程度内容を理解したつもりであったが、帰ってからメモを纏めようとした結果、専門用語が多くほとんど正確に記憶しておらず、むしろほとんど理解していないことに気がついた。そこで、集めてあった新聞記事を読み直して、常識レベルの記載を整理してまとめたのが本報告である。短時間でまとめた内容の少ない報告となったが、間違った記述も多いと思うのでご容赦願いたい。

 

2)「はやぶさ」の出発から帰還までの概略ヒストリー

最初に新聞記事を参照して「はやぶさ計画(JAXA)」の概略を整理してみた。

    平成13(2001)05月:鹿児島県内之浦からM5ロケットで打上げ、はやぶさと命名

                      地球の重力を利用して軌道を変え、小惑星“いとかわ”に向かう

    平成15(2003)07月:姿勢制御装置3基のうち1基が故障

            09 20億キロの旅を経て“いとかわ”に接近

            10 姿勢制御装置がさらに1基故障

            11 いとかわ“に2回着陸、岩石採取用の金属発射装置は作動失敗

           世界で初めて小惑星に着陸した探査機と注目された

            12 帰路に燃料漏れが発生、交信が途絶え、行方不明となる

    平成18(2006) 01月 途絶えていた交信が奇跡的に復活、太陽光圧で姿勢制御

    平成19(2007)04月 いとかわ附近から地球に向けて出発

    平成21(2009)02月 壊れたイオンエンジン2基の回路をつないで1基として再出発

    平成22(2010)06月 軌道微調整で、60億キロの宇宙の長旅を終え、7年ぶりに13日オー  

           ストラリア 南部砂漠に帰還、試料カプセル回収

            11月 カプセル内から回収された約1500個が小惑星の石と確認

    平成23(2011)年 03 米テキサス州で開催の米学会で初期分析結果を発表、世界が称賛

                G-02-42-1

3)「はやぶさ」が達成した成果の意義

 今回回収された小惑星の石は、国内各大学や海外の研究者で作った分析チームに配られ、専門分野から検討が進められているが、講演していただいた土山教授の主担当は非破壊分析分野で、兵庫県佐田町の大型放射光施設「スプリング8」を用いた試料の三次元構造解明を担当された。

 土山教授の説明によると、現在地球上で回収された隕石も累計62000個あり、小惑星由来のものも多いが、どこから来たかが特定できない。今回の試料は天体名と採取場所まで特定されたものであることが重要である。また大きい惑星からの試料は重力が大きく中心が高温高圧なため変成しているので、太陽系ができた46億年前の姿を追求するためには、“いとかわ”のような小さな惑星の試料が必要となる。また地球上での汚染(大気・有機物など)の汚染がないことに意義がある。土山教授は、試料の分析は進行途上であるが、「今回の試料の分析で、太陽系史にわたる小天体の内部・表面活動史があきらかになる」と推定絵図を示して大きい期待を表明された。

 

4)サンプルリターン計画「はやぶさ2」への期待

 土山教授の資料によると今回目指した「いとかわ」はS型の小惑星で、成果として「隕石の起源の解明と小天体正面の活動」を挙げており、平成26(2014)年に挑戦予定の「はやぶさ2」では炭素の豊富なC型小惑星を目指し、「鉱物-水-有機物(地球-海-生命の原材料)の解明」に取り組む予定と説明し、土山教授の目が少年のように輝いた。

 

 私がとくに感銘を受けたことは

   わずか0.01mmほどの微粒子を薄くスライスして結晶構造を顕微鏡で観察したり、三次元構造を詳細に調べることが可能な分析技術のレベルであったこと

   “はやぶさ計画”のプロジエクトマネージャである川口淳一郎氏の言葉(京都新聞2010-09-24の現代の広場欄)を借りると“東京から2万km離れたブラジルの空を飛んでいる体長5mmの虫に弾丸を命中させるようなもの”と例えられるほどの正確な運転制御技術であったこと

   従来の常識を破り、ロケットのように燃料を使用せずに電気の力で進む「イオンエンジン」を採用し、太陽電池を背負った小型宇宙探査機の成功で、将来の宇宙開発の新しい道が大きく開けたこと

・・・など日本の最新技術と蓄積された匠の技術が証明され世界の発信されたことである。

 

57万個存在するといわれる小惑星の中の“いとかわ”の大きさは535×249×209mと小さな天体で、多くのことがわかってきたが、まだまだ序の口の段階である。“はやぶさ”の名前の由来は“小惑星で試料を採取してすぐに離陸する姿が、獲物を捕えて飛び去る鳥「隼(はやぶさ)」に似ていること”からと紹介されている。同時に天体名「いとかわ」も,日本のロケット開発の父「糸川英夫博士」名にちなんで命名されている。東大の糸川研究室には、会社時代に高温耐蝕材料の件で訪問したことをなつかしく思い出したことを付記する。

              G-02-42-2(完)

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